高齢化社会を迎えた今、
段差のないフラットな空間をつくりだす
平屋住宅が注目されています。
都市部では、あまり見かけない平屋住宅の
特徴とメリットや留意点について紹介します。
平屋住宅とは、1階建ての住宅のことです。
東京などの大都市圏に住んでいると、
一戸建て住宅といえば、2階建てや3階建てが多く、
平屋住宅を目にする機会は少ないのが実情です。
一方、軽井沢などの別荘地では、
平屋住宅の別荘をよく目にします。
平屋住宅で建てられた別荘を見ると、
森や林などの周囲と調和し美しい景色をつくり出しています。
このように、別荘地に限らず平屋住宅は
広い敷地に建てられるケースが多いです。
理由は、2階建てや3階建てと同様の部屋数や居住スペースを
得ようとすると、一定の建築面積(建物が建つ部分の面積)が
必要になるからです。
では、平屋住宅の特徴とメリットを挙げてみましょう。
平屋住宅のメリットは、
上下階の移動が無いフラットな住宅のため、
住居内での移動がスムーズである点です。
家の中の段差がなければ、
足の不自由な高齢の方や幼児期の子供も
安心して生活ができます。
例えば、車椅子での生活でも廊下幅を広げるなど
プランニングの工夫をすれば、生活もしやすいでしょう。
また、風通しが良いのも平屋住宅の特徴です。
空気の上下の移動が無いため、
四方に開口部を設ければ空気の循環がしやすく、
引き戸などで風の道をつくれば、
住まい全体の通風性を高められます。
更に、2階部分が無いため構造的に強く
地震や台風などの防災面でも優れています。
そして、外壁や屋根などの修繕も
2階建てや3階建てに比べて行いやすく、
メンテナンスしやすいのも平屋住宅の特徴です。
平屋住宅の留意点は、
先述したように敷地の広さが必要なことです。
また、立地の周辺環境に住み心地が左右される点です。
1階のみの造りなので、窓から採光を得るには、
建物の周囲にスペースがあることや、
まわりに高い建物が無い立地であることが重要です。
第一種低層住居専用地域などの住居系エリアが、
平屋住宅の立地としては適しているといえるでしょう。
また、中庭を設けるなどプランニングの工夫によって、
光を全体に取り込むことも可能です。
階段が無いため、その分デットスペースも
減らせ収納なども増やせます。
また、構造がシンプルなので
将来のリフォームもしやすいでしょう。
家族が同じフロアで、生活するということは、
気配を身近に感じコミュニケーションを
とりやすいといった効果もあります。
高齢者にやさしい住宅ですが、
3世代居住などの大家族には平屋住宅はおすすめだと思います。
フラットな動線は、生活しやすいだけでなく
交流を促し世代を超えたコミュニケーションも図れるでしょう。
そういう視点で見ると、長期間暮らしやすい
サスティナブル(持続可能)な住まいとも言えるでしょう。